第15回スペースモデリング世界選手権大会結果

競技 選手 順位 国別成績
S1B(高度競技)
30名出場
渡辺 敏明 第10位 第4位/12カ国出場
荒木 太一 第13位
中村 勝 第16位
S3Aジュニア
(パラシュート滞空時間競技)45名出場
中臺 啓太 第35位 第14位/16カ国出場
中臺 康平 弟39位

S3Aシニア
(パラシュート滞空時間競技)34名出場

稲葉 康広 第13位 第9位/12カ国出場
恩田 要祐 第15位
渡辺 敏明 第33位

S4Bシニア
(ブーストグライダー滞空時間競技)38出場

山本 拓也 第18位 第9位/14カ国出場
中辻 永行 第24位
山田 裕子 第27位
S5Cシニア
(スケール高度競技)
21名出場
荒木 太一 第15位 第6位/7カ国出場
島田 恭武 第18位
稲葉 康広 第19位
S6Aジュニア
(ストリーマー滞空時間競技)42名出場
中臺 啓太 第36位 第14位/15カ国出場
中臺 康平 第40位
S9Aジュニア
(ジャイロコプター滞空時間競技)38名出場
中臺 康平 第28位 第12位/14カ国出場
中臺 啓太 第33位
S9Bシニア
(ジャイロコプター滞空時間競技)37名出場
渡辺 敏明 第7位 第11位11/13カ国出場
山田 裕子 第28位
恩田 要祐 第36位

 

第15回WSMCの状況


日本選手団18名 現地通訳1名 合計19名
ポーランド デブリン航空学校

今後多くの方々にご参加いただきいとの希望から、現地での状況と反省を含めご報告さ
せていただきます。  

                                  日本選手団長 山田 誠

シニア部門

S1B(高度競技)
 日本チームは参加30名中、渡辺選手が504.5m 10位、荒木選手が484.5mで13位、
中村選手が452.0mで16位と健闘しチームとして参加11か国中、世界第4位となった。
しかし、アッパーステージのストリーマーが短いため、機体の回収が困難であった。他国は
長いストリーマーのため視認性が良く、遠方からも着地点が容易に確認できた。なお優勝
記録はイタリアのマザラッキョ選手の657.5mであった。

S3B(パラシュート滞空時間競技)
 日本チームは、参加34名中、稲葉選手13位(MAX420秒、139秒,368秒)、恩田選手15位
(DQ,MAX,MAX)、渡辺選手33位(340,DQ,DQ)、参加12か国中、日本チーム第9位であった。
気象条件が好条件であった為、通常の世界戦レベルの機体であれば、どの選手もMAXが
出せる状況のため、回収班も全力で打ちあがった機体の回収にあたった。恩田選手は2,
3回ともにMAXを出しているため、1回目のDQが悔やまれる。しかし全般に機体の強度不足と
見られるスパイラル飛行(飛行方向が定まらずによれて上昇する飛び方)が見られた。
これはボディチューブの剛性不足のため、低周波のフィンのフラッターが起こり、飛行中のフィンの
アライメントと重心の位置関係が狂うために生ずる。

S4B(ブーストグライダー滞空時間競技)
 全機が無尾翼機をロケット本体に収納したアイディアに溢れた機体で参加した。
FAIの審判に対して、規則に合致しているかの回答を求め、危険な飛行をしなければ認める
との採決を戴き挑戦した。成績は参加38名中、山本選手18位(MAX240秒、MAX240,DQ
)、中辻選手24位(DQ,220,233)、山田選手27位(MAX240,194,DQ)、参加14か国中、日本
チーム第9位であった。
 S3B同様の機体強度不足と思われるスパイラル飛行が見られた。無尾翼機が強度メンバー
として働いていないのはもったいなく、無尾翼機の収納固定方法を工夫すべきであった。
 3ラウンド目のDQは機体のいたみや打ち上げ時のへたりを考えていないため、及びフライト前
点検の不備(後のフライトほど詳細なフライト前整備点検が必要)によりDQフライトが目立った。
山本選手は3ラウンド目のDQが無ければフライオフ進出の可能性もあった。

S5C(スケール高度競技)
 日本チームが1992年に世界選手権へ初参加してから正式にS5Cに挑戦したのは今大会が
始めてである。全員トマホークでの参加。参加21名中、荒木選手は15位(スタティック
ポイント544,297、DQ,DQ,)、島田選手18位(スタティックポイント553,DQ,TL,DQ),稲葉選手は
19位(スタテックポイント553,DQ,不参加,DQ)稲葉選手は正式な記録が出なかったため、
規則により合計点は0となった。参加7カ国中、第6位。
 現地大会時は風速5m/秒を越える強風。これらの打ち上げ結果を見ると日本チームの機
体はすべて強風下でのフライトを考慮していない。まず、発射台を離れる速度が遅いため、
ウインドコックが大きく出た。その結果飛行軌道が倒れ、さらに横風が強いほど1段目の速度が
必要になるが、1段目と2段目が分離するときの飛行速度が遅すぎたため、分離するときの
分離噴出する不均一なガスリークの影響を受け、そのガスジェット効果によるリアクションで
飛行姿勢が横向きになり、2段目は横っ飛びして高度が出ないばかりかDQフライトとなった。
スケールといえども高度競技であるため、軽量化が必要なため、塗装を薄くする、軽く強い
ボディチューブを使うなどである。現地では少しでもウインドコックを減らして真直ぐに打ち上げる
ため重量重心を変えずに慣性モーメントを増加するようウェイトを配置する臨時対策を指示
したが、選手たちは動特性の基本が理解できていないようで、1段目の飛行方向の倒れは
改善されたが、分離の問題は残った。今後は、分離の勘合部のフリクションに充分配慮し、
できる限りスムーズに分離できるよう注意すべきである。

S9B(ジャイロコプター滞空時間競技)
 日本チーム初参加部門である。MAXは240秒。日本チームは参加37名中、渡辺選手7位
(183,104,161)、山田選手28位(73,85,101),恩田選手36位(DQ,DQ,97),参加13か国中、11位
であった。
 寒気が入り、雲が多く陽が照ったり陰ったりする天候のため、競技中にサーマルが出る良い
条件の時間は極めて限られていた。その良い条件で打ち上げた他国の選手は成績が良かった。
しかし、日本選手は機体の準備に時間を取られ、良い条件を待つという作戦を取ることができ
なかった。短時間で効率よく機体の準備作業を行う練習や工具類の準備不足が原因のように
見える。S3B,S4Bと同様に、機体の剛性不足と思われる、よれた飛行も見られ、このため
高度が獲れずタイムが悪くなった。